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執筆者の写真yusuke murakami

アコンカグア②      Aconcagua (アルゼンチン)       

・プラサ・デ・ムーラス(ベースキャンプ)にて高度順応

高度順応とは、平地から高地に移動して一定期間滞在すると、酸素が薄い環境に合わせて呼吸機能や循環機能が高まる現象のこと。

高山病になった経験がないので詳しいことはわからないが、体力とは関係なく体質や運も影響するらしい。水をたくさん飲むことで血行が良くなり、身体の各所へ栄養や酸素を運ぶスピードが上がるため、高山病にも有効らしい。そのため、水とコーラをそれぞれ4Lずつ持ってきた。

水が足りなくなったらそのへんの雪を溶かして飲む。

この日から数日間は、近くの氷河や次のキャンプ地の下見に行ったりして時間をつぶす。



穴の空いた手袋からジャケットやズボンまで、おそらくこのキャンプ地にいる誰よりもみすぼらしい恰好をしていると思われる。ただ気分は最高である。



            今後のルートを確認する相棒



          氷瀑みたいな氷壁の前でポーズをとってみる




               ベースキャンプの全景


・ベースキャンプに戻ると大きなテントの中から日本語の会話が聞こえたような感じがしたので近づいてみると本当に日本人だった。話を聞くと何とエベレストに7回?登頂したことのある有名ガイドの方だった。テントの中に入るとその方のお客さんと他にも日本から遥々個人でアコンカグア登山に来ている人たちが何人かいた。しばらく雑談に花を咲かせる。

そこで得た情報としては

①今の自分の装備だと凍死する

→確かにベースキャンプまで来た時点で夜は相当寒かった。仕方なくジャケットをレンタルする(100ドル)。ぼったくり価格。

②体力ある人はベースキャンプから1日で登頂できるらしい。

高度順応を含めると通常1週間ほどかかる行程を1日で行くのは相当凄い。

ちなみに冒険家の故植村直己氏はベースキャンプから一気に登頂したらしい。

③寝る時はできるだけ標高の低い場所まで降りた方がいい

1度高地へ上がって、そこで2~3時間滞在した後また降りてきてそこで宿泊。これを繰り返しながら体を慣らしていくのがいいらしい。

というわけで、ベースキャンプからキャンプ・カナダまで700mほど登ってみる


            ベースキャンプへ戻るツアー客



キャンプ・カナダへ行く途中に見える景色。恥ずかしながら、最初は右の突き出た山がアコンカグアだと思っていた自分と相棒。事前情報を何も調べず来ている登山者は自分たち2人だけだろうと笑いあった。食料を詰め込んだ頭陀袋をキャンプカナダに設置し、大きな石を上に乗せ固定する。明らかに盗難のリスクがあるが、ここは人の良心を信じるしかない。高度順応も兼ねて複数回に分けて荷揚げをするのが一般的だそうだ。



             夕焼けに染まるアコンカグア


翌日、朝からブリザード。テントごと吹き飛ばされないか心配になるほどの風の音を聞きながら「昨日キャンプ・カナダに設置した食料大丈夫かね?」と心配になる。

2人で話し合った結果、とりあえず確認しに行こうという結論になり早速ブリザードの中、テントを出る。寒い。



 ブリザードの中を登っていく相棒(左下)2枚上の写真と同じ構図だが様相が全く違う



        キャンプ・カナダの荷物が無事だったことを確認


ここまで来たから、ついでに次のキャンプ地であるニド・デ・コンドレスまで下見に行くと言い出す相棒。自分はブリザードの中これ以上登る気はなかったので、無事を祈り見送るw



         ニドまで行かず途中までで引き返してきたはず



        ベースキャンプから撮影した雪を纏うアコンカグア


ベースキャンプには常駐の医師が滞在しており、簡単な健康診断を受けるのが義務となっている。血中酸素濃度や血圧?などを調べられたはず。ほとんど記憶にない。

この検査で異常値が出た場合は登山を断念せざるをえないので、ある意味1番恐ろしい。

自分が大丈夫と思っていても、ベースキャンプまでで登山終了となる。


・プラサ・デ・ムーラス→キャンプ・カナダ

翌日は快晴。

ようやく、長いベースキャンプ生活から次のキャンプ・カナダへ最終荷揚げ。そのままそこで1泊。



         ベースキャンプからキャンプ・カナダへ向かう


万が一ベースキャンプより上で食料が尽きると万事休すなので、どうしてもビビッてしまい荷物が多くなってしまう。バックパッカーなのにパッキングが下手ということもある。

トレッキングポールも手にしているのでベースキャンプでレンタルしたらしい。記憶にない。



           キャンプ・カナダ(標高5050m)の夕焼け。


ベースキャンプかキャンプ・カナダあたりから夜間で飲料水が凍り始める。そのため、夜は寝袋の中にペットボトルを入れ体温で温めながら寝る必要がある。そうしないと、翌朝水が飲めないだけでなく、代わりに雪を溶かす必要が出てくるので燃料の無駄にも繋がる。

そもそもこのあたりはまだ雪もそんなにないので飲み水は貴重なのだ。

ここから先はトイレもないので、色々気を遣うところが多くなる。


・キャンプ・カナダ→ニド・コンドレス

なぜかわからないが個人的にアコンカグア登山の中で1番きつかった行程。

傾斜もそこまできつくないし、歩く距離もたいしたことないのに結構疲れを感じた。

ここでも1泊


     ニド・デ・コンドレス(標高5550m)。右側にテント群が見える。

 

登山中は写真を撮りながら歩いているのだが、ニド付近の写真がほとんどないので、やっぱり疲れてたんだなと。高度順応失敗しとるんかな・・・

残すところは最終キャンプ地のキャンプ・コレラ(6000m)のみ。別のキャンプ地もあるっちゃあるのだが、その2つは廃墟と化しているので実質コレラが最後のキャンプ地となる。





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